住み始めた後で、後悔するケースが多いのがコンセントの数です。計画中の図面で見ると、今の暮らしにまかなえるだけのコンセントを設置していても、実際住み始めた後に、家具などで使えないコンセントが出来てしまいます。また、実際住み始めた後に、掃除機をかけると、何回もコンセントを差替えなければならない場合や、延長コードを使用しないと掃除機を使えない場合もでてきたりします。部屋の大きさから家族の生活動作、家具や電気器具の配置、ドアの使い勝手などを検討して取付位置、個数を余裕をもって決めましょう。今回はコンセントについてお伝えします。
■コンセントの取付け高さと位置
通常、コンセントの高さは床からコンセントの中心まで30センチ程度が多くみられます。洗濯機は105~110センチ、勉強机は70~90センチ程度が目安となります。高頻度で利用するコンセントや掃除機用は抜き差しが楽なように床からコンセントの中心までを30~40センチ程度の高さにすると、かがむ動作が楽になります。冷蔵庫用は埃を蓄積させないためにはプラグが見える位置にコンセントを設置します。また水滴が飛ぶことが考えられる電化製品は少し離して設置する配慮も必要です。使用時にかがまなくてもすむ、水滴がかからないなど使用目的に応じて高さや位置を決めるようにして下さい。スイッチと同様に、ドアや家具に隠れてしまわないように注意が必要です。
■コンセントの数
住宅のコンセントの必要数は数年の間に飛躍的に増えたにも関わらず実際の設置数は大きく変わっていません。家電製品の増加に見合ったコンセント数が必要で、基本的にはコンセントの数は使用する電化製品の数だけあるのが理想的です。現実はなかなかそうもうまくいきませんがタコ足配線は見た目も使い勝手も悪く、火災の原因も考えられます。
■住宅コンセントの種類
コンセントの種類にも様々なものがあります。用途や取付け場所に応じてコンセントを選びましょう。
- ダブルコンセント
ポピュラーな2コ口の100V用のコンセントです。他にも1コ口や3コ口もあります。
- 抜け止め式ダブルコンセント
コンセントはプラグを左に回して引っ張らないと抜けない構造になっています。パソコンやAV機器など抜けては困るコンセントに設置します。
- アース付コンセント
高ワットの電気機器にはアース付コンセントが必要です。洗濯機や電子レンジ、食器洗浄機など水を使う場所にはアースターミナル付接地コンセントを設置します。
- 15A・20Aアースターミナル接地コンセント
パワフルな機器の専用コンセントです。電磁調理器やエアコンなど消費電力が1000Wを超える電気機器が家庭内に増えています。これらの機器を安全に、快適にそして効果的に使うためにおすすめの高容量コンセントです。
- マグネット式コンセント
磁石式のコンセントです。アイロンのコードなどに足を引っ掛けてもポロリと外れるから安心、差し込むのもラクです。お年寄りや子供が転ぶのを防止し、ケガから守ります。
- マルチメディアコンセント
マルチメディアをたっぷり楽しむために、電源、通信、情報がひとつになったコンセントです。ブロードバンドもデジタル放送などを楽しむ各部屋に設置します。
- アップコンセント(フロアコンセント)
床面下のボックスに取り付け、床面上で使用するコンセントです。コンセントを使わない時は、フタを閉めて床とフラットな状態になります。ダイニングテーブルの下などに設置すると、鍋料理やホットプレートを使うときだけ使用できます。
- 防水コンセント
水が浸入しないようにしてあるコンセントで、庭先やベランダなどの屋外で使用します。ライトアップ用の照明やバルコニーで電気製品を使いたい箇所に設置します。