エクステリア(外構)とは、敷地内の建物本体の周辺スペース、そのスペースに設置されている構造物や植栽など、外まわり全般のこと。または、外部空間の設え(プランニング)を指すこともあります。一般的な住宅の場合であれば、門扉やフェンス、駐車スペース、アプローチ、庭づくりなどを含めたものがエクステリア(外構)プランとなるでしょう。エクステリアには様々なプランが考えられますが、ここでは新築の際に知っておきたい配置や動線など考え方のポイントをお伝えします。
■建物全体の間取りプランと同時に検討しておきたい
エクステリアは住まい全体の印象を左右する重要なものですが新築の場合、どうしても建物本体に気を取られ後まわしになってしまいがち。しかし快適で暮らしやすい住まいを実現するためには、建物だけではなく、敷地の中をどうプランニングするか、建物も外まわりも同時に検討することが大切です。後まわしにしたために、希望してたウッドデッキが設置できなかったり、車の出し入れがしにくくなってしまったり、洗濯物干し場のプライバシーが保てなかったり、といったケースもみられますし、外まわりに設置される排水枡やメーター類、配管などが施工された後ではプランに影響が出ることもあるので注意が必要でしょう。
■敷地の中でのゾーニング(配置計画)を考える
エクステリアは建物と同時にプランニングすることが基本ですが、外まわりスペースそのものの考え方としては室内の間取りと同様にゾーニング(配置計画)から検討を。玄関アプローチや駐車スペース、庭や裏方のスペースなど敷地のどのあたりにどのくらいの広さを確保したいのか、大まかにイメージすることが大切です。たとえば道路付けと大きく関わる門扉から玄関アプローチ、駐車スペースなどから考えてもいいでしょう。家の顔ともなる場合も多いので道路からの使い勝手や見え方に配慮して位置や広さなどを検討すること。駐輪スペースなど考えておきたいポイントです。
■くつろぎのスペースや裏方スペースも確保して
敷地の広さなどにもよりますが、一戸建てならではの空間である庭、坪庭などといったくつろぎやゆとりを生みだすスペースは、できる限り確保しておきたいもの。中心となる部屋(リビングなど)に面して庭を設けるプランが多くみられますがテラスやデッキなどを設置したい場合は早めに設計担当者に伝えておく方がいいでしょう。またキッチンやユーティリティ近くに裏方のスペースも確保しておきたいもの。洗濯物干し場やゴミの一時置き場、DIYなどの作業場や物置など使い勝手を考えてプランニングすることが大切です。
■スペースの使い方や屋内外の動線をイメージする
ゾーニングと合わせて考えたいのが動線でしょう。門扉から玄関へ、駐車スペースから玄関や勝手口へ、玄関から庭へなど日々の暮らしをイメージしながら家族みんなで外での動き方をイメージしてみましょう。もちろん、建物の「間取り」との関係も重要なポイント。たとえばリビングからつなげたデッキの使い勝手はいいか、洗濯機置き場からの物干スペースは行き来しやすいか、庭で遊ぶ子供が出入りしやすいか、などを検討することも大切です。また高齢の方がいる場合は段差を少なくしたり、スロープを取り入れるなど工夫も必要でしょう。
■プライバシーや防犯面にも配慮を
ゾーニングや動線を検討する際には、道路や隣地との関係、プライバシーや防犯面なども考慮しておくことも重要なポイントです。エクステリアプランはオープン外構とクローズド外構、セミクローズド外構に分けることができます。開放的なオープン外構は敷地への出入りは容易ですが近隣から敷地内が見渡せ死角がないことで防犯性が高まるケースも。また背が高く敷地内が見えにくい門扉や塀などを設けることの多いクローズド外構はプライバシーを確保することができますが、プランニングによっては外からの死角が生まれてしまうこともあるため、適した防犯設備機器の設置が必要でしょう。