日々の暮らしや住まいづくりの中でユニバーサルデザインは身近なものになってきています。ここでは選ぶ前に知っておきたい設備機器のユニバーサルデザインについてまとめました。
■操作方法がわかりやすく楽なユニバーサルデザインの設備機器
住宅設備機器にもユニバーサルデザインを謳うアイテムは数多く、プランニングを進める際には、何かしらの配慮をすることはあたり前となってきているようです。ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、障害の有無などに関わらず、すべての人々が気持ちよく使うことができる、誰にとっても使いやすいというもの。住宅設備機器を使い手からみたときには、以下のような工夫や配慮されたものになります。操作方法がわかりやすく、操作が楽で、簡単なこと。身体にやさしいこと、移動が楽なこと、お手入れが簡単で安全で安心して長く使うことができるもの。
■バスルームまわり
住まいの中でも安全性が気になる場所と言えばまずバスルームが挙げられるでしょう。たとえば滑りにくい床、手すりやバーなどは当たり前になってきていますし、操作しやすくデザイン性にも優れた水栓金具や手元で出し止めできるシャワーなどもあります。バスタブは出入りがしやすく、ゆったりとくつろぐことができるような工夫もみられます。また出入口の床の段差も無くし、つまずきを防ぐもの、出入りしやすく万が一の事故に対応しやすい3枚引き戸などは介護が必要になった際にも使い勝手がいいものでしょう。
■トイレ・洗面
トイレは空間全体としての配慮と同時に機器そのものの性能も高まってきています。限られたスペースでも無理な姿勢を取らなくても済むように、タンクレストイレはもちろんのこと、便器や手洗器、収納などをシステム化し、空間を有効利用できる商品もみられます。また素材や形状など、使いやすさに工夫を施した手すりも豊富に揃っていますし、アームレストを組み合わせることができるものもみられます。機能としては便座の自動開閉や自動洗浄のトイレなどは誰もが快適に使うことができるでしょう。掃除が楽な便器も増えお手入れの手間の軽減が図られています。洗面化粧台はゆっくりと座って身だしなみを整えることができるタイプ、出し入れしやすいように昇降する上部収納ユニットなどがみられますし、操作しやすい水栓金具なども揃っています。
■キッチンまわり
キッチンまわりでは安全性はもとより、作業や操作が楽に簡単に行えるものが多くみられます。たとえば作業動線に無駄のないキッチンプラン、座って調理することのできるシステムキッチンなど。無理な姿勢をとる必要がなく軽い動作で開閉できる引き出し式の収納ユニットや昇降機能を持つ上部収納ユニット、タッチレス水栓や足元スイッチなども作業を軽減するものでしょう。その他コンロやレンジ、食器洗い乾燥機など、ビルトイン機器はいずれも機能性がアップすると同時に操作性への細かな配慮がみられます。操作部分の位置やパネル画面の見やすさはもちろん操作を音声で指示してくれる加熱機器なども揃っています。
■窓・扉
玄関扉や室内扉、窓など日々家族が使用する建材に開閉しやすく操作しやすい商品が多く揃っています。玄関扉であれば使い勝手を高めたキーシステムが提案されているので家族構成やライフスタイルに適したタイプを選ぶことが可能。開閉動作が楽に行えるレバーハンドルやバーハンドルなどもみられます。室内扉はあまり力をかけずに開閉でき、床の段差のない上吊りタイプの引き戸、スペースを有効利用できる折戸など。ゆっくり開閉するタイプであれば、指を挟みにくく、開閉時の衝撃音をおさえることもできるでしょう。窓、サッシも同様に操作性や施錠方法などが高まっており、開閉しやすい大型の把手、指挟み防止機能などがみられます。掃き出し窓の場合であれば室内外の段差にも注意が必要。段差の少ない枠のサッシを選べば、屋内外の出入りがしやすくつまずくこともないでしょうし、車椅子の移動も楽に。