普段、何気なく暮らしている家の中を見回してみたとき、どんな色がありますか?意外と多くの色に囲まれていることにお気づきになるかもしれません。長い時間を過ごすリビングや自分の部屋は、居心地の良い空間にしたいものです。そこで上手に使いたいのが「色」。知らず知らずに受け取っている色のメッセージや色の効果は、私達の心身に少なからず影響を及ぼしています。そこで今回は暮らしの中でお役立ちの色彩の取り入れ方についてお伝えします。
■色を上手に使うコーディネート術
部屋の中の印象を左右するのが色づかいやその組み合わせ方です。色はとても大きな力を持ち、素敵な部屋を作るためには欠かせない要素です。何となく落ち着かない、まとまりを感じられない…そんな空間は、色をたくさん使いすぎている、色づかいがバラバラになってしまっている、見るポイントが定まらないなど色づかいが原因になっていることも少なくありません。心地よい空間づくり、センスのいいお部屋づくりのために、カラーコーディネートの基本を知り、活用してみましょう。
[部屋ごとにテーマを考えてみる]
お部屋のカラーコーディネートに求められるのは、安全で快適に過ごせる環境をつくることにあります。そのためにまず2つのポイントを押さえながらその部屋のテーマを考えましょう。
- 目的にあわせた色づかいであること
たとえば食事をとる部屋は美味しく楽しく食卓を囲めることが、その部屋の利用目的であり、寝室はゆったりと安らかな睡眠を得られる雰囲気を作ることが目的となります。部屋ごとにどのような色や配色が望ましいのかをまず考えていくことが大切です。
- 使う人に合わせた色づかいであること
その部屋を利用する人に合わせた色選びも考えていきます。まず、家の中を三つにブロック分けしてみましょう。玄関、廊下、リビングといったパブリックゾーンは誰にとっても好まれるような色選びを意識していきます。パブリックゾーンは家族以外のお客様も入ることも多く、たくさんの人が利用することが多い空間です。セミパブリックゾーンはダイニングやキッチン、バスルームなど家族が主に利用する場所です。家族全員が心地よく過ごせる空間としてその家族にとって心地の良い色を取り入れていきましょう。3つめは子供部屋や寝室などのプライベートゾーン。誰が使うのかが限定されている部屋で使う人自身の好みを反映することができる部屋です。
[色の配色を考えていく]
色は使いたい色を使うだけではなく、その色の組み合わせと使用面積のバランスも非常に大きなポイントとなります。
- その部屋のイメージを考える
まずその部屋のイメージをどのような空間にしたいのかを考えていきます。たとえばナチュラルモダン、エレガント、シンプル、ぬくもりなどその部屋に取り入れたい雰囲気やテイストを踏まえ、まとまりのある空間にしたいのか、コントラストのあるメリハリのある雰囲気にしたいのかを考えるとカラーコーディネートの方向性が絞りやすくなります。統一要素の多い類似色や同系色を用いた「まとまり」色のカラーコーディネートは落ち着いた雰囲気が出ます。変化を求める場合はアクセントとなる色を使ったり、対比性の強い配色を使うと「メリハリ」があってインパクトのある空間になります。
- メインカラーを考える
部屋のイメージやテーマが決まったら具体的な色を考えていきましょう。まずメインとなる大きな面積を占めるカーテンやラグ、ソファーやチェストなどの大型の家具の色を決めていきます。メインカラーとなる色は壁や床との調和がとれる色であることもポイントとなります。
- セカンドカラーを考える
次に小物やクッションなどの小さな面積で使用する色を考えていきます。メインカラーを引き立て、全体のイメージを引き締めるアクセントカラーとなじませてまとまり感を出す色としても使うことができます。
- 最後に全体の配色バランスを確認
全体のカラー配分が決まったらトータルにもう一度見てバランスがとれているのかをチェックします。そしてテーマやイメージに沿っているかも確認しましょう。だいたいのバランスですがメインカラーが70%セカンドカラーが25%くらいを目安にします。インパクトを作るアクセントカラーは全体の5%程度に用いると引き立ちます。