家族が集まるリビングは、誰もが居心地のよい空間としたいもの。新しい住まいの間取りを検討する際には、開放的なリビングとするため、吹き抜けを設けたプランを望む方もいらっしゃるのでは?今回は吹き抜けリビングのメリット・デメリットをお伝えします。
■開放的な空間が生まれる吹き抜けプラン
住まいの中心ともいえるリビングは、家族はもちろんお客様も居心地のよい空間としたいもの。間取りを検討する際には、広々としたリビングを実現するため、吹き抜けを取り入れたいと望む方も多いのではないでしょうか。プランニングや条件にもよりますが吹き抜けとすることで、光や風を取り込み、開放的な空間となることが大きな魅力でしょう。
■メリット:開放感と明るさ、家族の気配を感じることも
- 広々とした空間が実現する:周辺環境や敷地条件、住まい全体のプランニングによりますが、一般的にリビングに吹き抜けを設けるメリットとしては、広々とした開放的な空間が実現すること。天井が高くなることで、縦方向に広がりが生まれ、ゆったりとした心地よさを感じることができるでしょう。
- 上部の窓から光を取り込める:吹き抜けの場合、上部に窓を設けることができるので上からの太陽光をたっぷりと取り込むことが可能。南面の隣家が迫っているなど、敷地条件の良くない1階リビングでも、明るい空間が実現できます。また上部からは光だけでなく、風を取り入れることも期待できるので、夏場でも快適に過ごすことが可能でしょう。
- 上下階の空間につながりが生まれる:吹き抜けを通して、上下階の空間につながりが生まれるため、家族の気配を感じることができるのも大きな魅力。たとえば吹き抜けのLDK空間に、2階の子供部屋が面している場合、キッチン作業をしながらでも子供の様子を感じることも。子供からも親の姿が確認できるので安心感を得ることができるでしょう。
■デメリット:冷暖房の効率が悪いこと、高所のお手入れがしにくいこと
- 暖房や冷房の効率が悪い:空間のプランニングや住まいの基本的な性能にもよりますが、吹き抜けリビングのデメリットとして挙げられるのは、暖房や冷房などの空調プランの難しさ。冬場の寒さや夏場の暑さなどに不安を持つ方も多いようです。大きな空間を温めたり冷やしたりするのは、エネルギーを多く使うことになり、光熱費がアップしてしまうケースもみられます。
- テレビなどの生活音が気になることも:吹き抜けによって上下階につながりがあることで生活音が聞こえてしまうというケースも。また音だけでなく、キッチンでの料理のにおいが上階にまで回ってしまうということもあります。
- 高所に設ける機器などの操作、掃除が難しい:高所に設ける窓やカーテンには適した商品や機能を持つアイテムを選ばないと、操作がしにくく使い勝手が悪い場合も。また、高い位置の窓、天井や壁面などの掃除に手間がかかるケースもみられます。
- 照明計画の難しさ:高さのある空間なので、空間の使い方に適する照明プランには充分な配慮が必要でしょう。また照明器具の電球交換が大変なケースもみられます。
■吹き抜けを取り入れる際のプランニングの注意点
- 採光や通風、操作性を考慮した窓プランを:上部からの採光や通風を考慮することがポイント。開閉のしやすさ、掃除のしやすさなども配慮することが重要です。チェーンで操作できたり、リモコンで開閉できる高所用のタイプもあるので、日々の使い勝手や使う人を考えて選ぶようにしましょう。
- 空間に合わせた空調プラン、シーリングファンなどを設置しても:吹き抜けスペースの空調計画はエアコンや床暖房など、空調に合わせて取り入れることが大切です。冬場暖房した場合、どうしても上部に暖かい空気が溜まってしまいがちなので、シーリングファンなどを設置するのもひとつの方法でしょう。
- 空間の使い方を明確にして、照明計画は早めに検討を:電気配線は早めに決定しなければならないので、間取りプランの中で新しい暮らしをイメージすることが重要です。基本はリビング空間の使い方を明確にプランニングすること。リビングでどのように過ごすのか、テレビを見るのか、読書をするのかなど、ソファやテーブルの配置を含めて検討を。ダウンライトを複数灯並べたり、ペンダントを下げたり調光器で様々なシーンに適した灯りプランを実現することも可能です。また電気の交換など自分でできるのか、電気屋さんにお願いするのか、メンテナンス方法を事前に確認しておきましょう。