室内で用いるドア(扉)には、いくつかの種類があります。開き戸や引戸、折戸など開閉方法によっても分けられますし、使用する部屋や用途によって適する機能やタイプも。今回は室内建具の種類や特徴、選び方のポイントをお伝えします。
■使用する部屋や空間に適した建具を取り入れたい
室内の開口部(出入口)に用いる室内建具。間取りプランにもよりますが、新築の際には、リビングや寝室、子供室、洗面やトイレなど、いくつかの建具を選ぶことになるでしょう。室内建具は空間に合わせてオリジナルで造作する場合もありますが、豊富なバリエーションが揃う、建材メーカーの商品を選ぶことが一般的です。プランニングの際には、日々の使い勝手を考慮して、使用する部屋、場所に適した開閉方法や機能、デザインを選ぶことが重要。もちろん、床材や壁、収納建具など住まい全体をトータルに検討することが大切なのは言うまでもありません。
■開閉方法 開き戸(ドア)や引戸、折戸など
室内建具を開閉方法で分けると、主なものは開き戸(ドア)、引戸、折戸の3つ。開き戸タイプが一般的ですが、日本の住宅では馴染みのある、引戸のスタイルも見直され、商品バリエーションも豊富になってきています。
- 開き戸(ドア) 多く用いられるスタイル。天井までの高さを持つタイプも
洋室で最も多く用いられているスタイルが開き戸(ドア)タイプ、一枚の扉を開閉する「片開き」、2枚の扉を開閉する「両開き」、大小の2枚の扉を持つ「親子ドア」などがあります。プランニングの際には扉の開閉部分のスペースが必要なので、使い勝手に合わせてサイズ、内開き外開き、左右どちらを吊元とするかなどを検討すること。出入りの動線を妨げず、危険のない開閉方法とすることが重要です。たとえば扉を取り付ける部屋が廊下や階段付近に接している場合は廊下を歩く人にぶつからないように内開きにするなどの配慮が必要でしょう。
- 引戸 デザインも豊富に。部屋が広く使え通風も確保しやすい
和室に隣接していたり、狭い空間で開き戸を設置できない場合に用いる建具、というイメージのあった引戸ですが最近ではデザインバリエーションも増え和洋問わず多く用いられるようになってきています。スタイルは1枚の戸を壁に沿って滑らせて開閉する「片引戸」、壁に引込む「引込み戸」、2枚の引戸を左右どちらでも移動させ開閉することができる「引違い戸」、左右に引分けて開閉する「引分け戸」などがあります。設置するための壁面は必要ですが戸を横にスライドさせるため、開き戸のように前後に開閉スペースがとられないので部屋が広く使えること、開け放して通風を確保しやすいこと、開閉動作が楽なこと、などがメリット。扉を開けておけば部屋を連続させて使用出来たり、空間に変化を持たせることも可能でしょう。
- 折戸 折り込んで開閉するタイプ廊下幅の狭い場所などに
折戸は蝶番などで連結させた扉を折りたたんで開閉するタイプ。開き戸よりも開閉スペースが少なくてすむ形状のためトイレや洗面室などの水まわり、廊下などの狭い空間に面した収納扉などに用いられることが多いスタイルです。選ぶ際には開閉のしやすさなどの使い勝手はもちろん、幼いお子さんがいる場合などは指挟みなどを防ぐ工夫が施されているかどうか確認しましょう。
■機能ドア
- 音に配慮した扉
防音ドアの種類もデザインも豊富になってきています。また本格的な機能を持つものだけでなく、生活騒音が気にならない程度の遮音・防音効果のある建具も寝室や書斎、子供室やトイレなどに向いているでしょう。
- 通風・換気が可能な扉
ルーバーなどの通風機能を組み込むと、扉を閉めたままでも風を取り込むことが可能です。湿気がたまりやすい洗面室だけでなく、部屋の中の気配を感じることができるので子供室に取り入れるケースもみられます。
- ペットドア
室内で飼う犬や猫など、ペットが自由に動き回れるようにペット専用の小さなくぐり戸が付いているドアもあります。ペットが出入りするたびにドアの開閉をする必要がないのがメリットです。