日本は地震の発生が多く、自然災害大国ともいわれています。家づくりにおいて地震対策への意識が強まっていますが土地の選び方にもこだわりたいもの。災害に強い土地を選んで家を建てることができれば、家族みんなが安心して日々の暮らしを営んでいくことができます。そのためには、災害に強い土地とはどういったものかを知ることが重要です。今回は災害に強い土地の選び方についてお伝えします。
■まずは地盤について知る
地震に強い土地を見極めるにはまず地盤について知ることが大切です。地盤の強度は建物の基礎を支える土地の強さ。地震に強い土地かどうかは地盤にかかっているといっても過言ではありません。では、良い地盤とはどういったものを指すのでしょうか。一般的に良い地盤とは地震に強い土地のことを指します。また地震に強い土地かどうかは地盤の強弱で判断します。地盤の強弱には大きく分けて2つの意味があります。ひとつはもともとの地形の成り立ちによるそのエリア全体の地盤の強弱。低地や海岸沿いの埋め立て地などは水が集まりやすく、地盤が弱いとされています。もうひとつは建物を建てるときに敷地がどの程度の重さで建物を支えられるかの強度を示す「地耐力」。地盤の沈下に対してどのくらいの抵抗力があるかを示す重要な指標です。地耐力が弱い土地の場合、建物そのものの重さで傾き、倒れてしまう可能性も考えられるでしょう。強い地盤を考えるうえでは、自然が造り出した地形の成り立ちと地耐力の両方から地盤の強弱を判断することが重要なポイントです。
■地形から地盤の特性を知る
地形は長い年月をかけてでき上がるため、その地形から地盤の特性を知ることができます。また、その特性から災害時のリスクを考えることもできます。山地や丘陵地、台地は一般的に地盤がしっかりしているとされていますが、傾斜がきつい土地では地すべりや斜面の崩落、土石流などの発生リスクが考えられるので注意が必要です。また低地では洪水や津波の災害リスクが考えられます。土地に含まれる水分量が多いため軟らかい粘土やゆるい砂が多く、地震や沈下が起こったときには液状化が発生しやすい土地でもあるのです。暗渠(あんきょ)の存在も見逃せません。暗渠は地上に建物を建設するために、小さな規模の河川や水路を地下に埋めたもので、こういったものがある場合には、軟弱地盤の可能性を疑ってみることをおすすめします。もちろん坂の下に位置するエリアは土地が低いため水が集まりやすい特性がありますし、池や湖沼、水田などを埋め立てた土地も、軟弱地盤の可能性があります。
■地震の危険度をチェックする
地震の危険度を調べるために、まずは特に地震が起きやすい地域をチェックしてみましょう。「地震ハザードステーション」では、日本に存在する震源断層を調べることができます。主要活断層帯や海溝型地震震源断層などが分かりやすく色付けされているため、地震発生のリスクを考えた土地選びの参考になります。また地域によって地震が発生したときの揺れやすさに違いがあります。「揺れやすい地盤」では、住所や地域名を入力し、その地域の揺れやすさの目安をチェックすることができます。
■液状化の危険度をチェックする
地震の災害は揺れによる被害だけではありません。土地に含まれている水分が多ければ、液状化の被害を想定しておく必要があります。地震動によって地盤が揺られ液状化するこの現象では、地盤の陥没・沈下をはじめ、液状の土砂が水流として噴出するといった被害をもたらします。「地震安心マップ」では、自治体液状化ハザードマップを利用することもできるため、液状化しやすい場所を事前にチェックすることができます。
■身の回りの災害リスクをチェックする
日本に起こる災害は地震だけではありません。洪水や津波、土砂災害など様々な自然災害のリスクが考えられます。国土交通省が提供している「ハザードマップポータルサイト」を活用して身の回りにどんな災害リスクが潜んでいるか調べることができます。