同じような間取りの部屋でも広く感じる部屋があったり、ウキウキした気分になる部屋があります。これはインテリアの色に一因がある可能性も。色使いが気分や体に及ぼす影響もあるからです。今回は、色が持つイメージの違いや配色の効果についてお伝えします。
■色にはそれぞれのイメージがある
服の色や髪の色を変えると、同じ人なのに「雰囲気が変わった」とか、「以前と違う」と感じたことはないでしょうか。これは、色の違いによって受ける印象が変わったことが原因です。色はそれぞれイメージを持っています。例えば…
赤:暑い、情熱的なイメージ→太陽や血、炎などを連想します
青:涼しい、知的なイメージ→空や海を思い浮かべます
白:清純、清潔なイメージ→雲や雪、真っ白いTシャツなどをイメージします
といった感じです。このように色は個別のイメージをもっており、私たちは色によって、受ける印象や気分が左右されます。服の色や髪の色によってその人のイメージが変化するのと同様に、インテリアも色や配色によってさわやかな印象を与えたり、気分を高揚させるなど、心理的な影響を与えるのです。
■色がもつ力と体に与える影響とは?
部屋の色や組み合わせによって見た目の印象が変わるだけでなく、どのような配色にするかによって、楽しい気持ちになったり、寒く感じたりと、気分や体感温度にも影響を受けることがわかっています。例えば、暖色系でまとめられた部屋は暖かい印象を受けます。一方、寒色系でまとめられた部屋はさわやかで涼しげな印象だと感じるでしょう。しかし私たちは暖かさや涼しさという印象を感じとるだけでなく身体にも影響を受けているのです。個人差はあるものの、暖色系の部屋では暖かい(実際の温度より高い)と感じ、寒色系の部屋では寒い(実際の温度より低い)と感じるなど、部屋の色によって体感温度に違いが生じることがわかっています。色の選び方によって部屋の居心地も左右されるのでどんな色を選び、どういったコーディネートをするかはとても重要です。
■部屋の基本となる3つのカラーを決めよう
部屋のコーディネートをする際にはまずベーシックカラー、アクセントカラー、アソートカラーの3つを決めます。ベーシックカラーとは基調色のこと。その部屋の中で一番大きなスペースを占める色です。アクセントカラーとは強調色のこと。差し色なので10%程度に留めましょう。アソートカラーはベーシックカラーとアクセントカラーをつなぐ協調色。使用面積は30~40%程度です。
■3つのカラーをどう組み合わせるかで部屋の雰囲気が変わる
ベーシックカラー、アクセントカラー、両者をつなぐアソートカラーのそれぞれにどんな色を選んで、どう組み合わせるかによって部屋の雰囲気は変わります。なかでも使用面積の大きいベーシックカラー選びは重要。どんな色にするかによって部屋の印象が大きく左右されるので、このことを意識してベーシックカラーを選びましょう。アソートカラーは違和感がないように、ベーシックカラーとアクセントカラーにトーンが合っている色を選ぶのがコツです。トーンが合っているとは、色の性格が近いということ。色の明るさの度合い(同じ色でも明るい色か、暗い色か)や色鮮やかさ(同じ色でも強い色か、弱い色か)が近いかどうかだと覚えておくとよいでしょう。
■どんな部屋にしたいかで色選びは異なる
- 簡単に空間の雰囲気を変えたいとき:小物でアクセントカラーを変える。例えば夏には涼しさを感じさせるブルー系の小物を並べ、冬には暖かさを演出するため暖色系の小物を選ぶ。
- 広く感じさせたいとき:膨張色を中心として部屋をまとめる。例えば、白やアイボリー、ベージュなど淡い色は広がりを感じさせる。逆に黒や濃いブラウンを大きな面積に使うと圧迫感を与え、狭く感じることがある。
- 柔らかいイメージにしたいとき:明るい色でまとめる。例えば、パステルカラーのように淡い色を使う。ブラウン系でも淡く、明るいブラウンやベージュなど。グレーでも濁りの少ない明るいグレーを選ぶようにする。
- 部屋をまとまった感じにしたいとき:部屋全体を近い色あいでまとめる。例えば、ベージュ系とか、ブルー系といった具合に、似た色にする。
- メリハリをつけたいとき:色あいの違う色を組み合わせる。例えば、ブラウン系の床に赤い家具やグリーン系の小物を選ぶといった具合に、全く違う色を選ぶ。
- 高級感、重厚感を出したいとき:暗めの色を中心に選ぶ。例えば、黒や濃いブラウンなどを大きな面積に使用する。そのほか、赤や青、グリーンのような色を選ぶ場合も黒の入った暗めの色に。さらにゴールドを加えると豪華さがプラスされます。