最近の玄関ドアの鍵やキーシステムは、使い勝手や防犯性能が高まってきています。一般的な鍵だけでなく、リモコンやカードで解錠することも。今回は玄関ドアを選ぶ前に知っておきたい鍵の種類や特徴をお伝えします。
■玄関ドアの鍵やキーシステムの機能性は高まっている
毎日、家族が使用し、お客様を迎える玄関ドアは住まいのイメージを左右する建材のひとつ。新築の際には、デザイン性や断熱性などはもちろん、操作性や防犯性にも配慮して選ぶことが大切です。玄関扉の防犯面で十分に考慮したいのが鍵(キーシステム)。最近では、機能性や操作性が高まってきており、家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶことができるでしょう。玄関扉にかぎらず、日常的には、「鍵」や「キー」、「ロック」など様々な用語を使用していますが、本来「鍵(Key)」とは、鍵穴に差し込みまわして「錠(Lock)」を開閉するもののこと。ドア本体に付いているのが「錠」、持ち歩くのが「鍵」になります。
■玄関扉の鍵の種類
一般的な住宅の玄関扉で用いられる「鍵」は、主にシリンダーキー。また、リモコンやカードでも施解錠できる電池錠や電気錠も揃っています。
- シリンダー錠・シリンダーキー
シリンダーとは、「鍵」の入る部分の円筒のことでこのシリンダーを用いるのがシリンダー錠です。シリンダー錠にはいくつかの種類がありますが、多く用いられているのは障害片がピン状のピンシリンダー。ピンの数が多いほど防犯性に優れていると言われています。また商品によってはシリンダー内部へ砂や埃が入り込むのを防ぎ、メンテナンス性を高めるため、カギの差し込み部分にシャッターを装備したタイプもみられます。シリンダーキーにも種類があり、メーカーの玄関ドアにみられるのは「ディンプルキー」と「ウェーブキー」でしょう。
◆ディンプルキー:表面に多数の小さなくぼみ(ディンプル)がついているもの。無数の種類をつくることができ、複製が困難という特徴があります。
◆ウェーブキー:表面・裏面にへこみを設けたもの。耐ピッキング性能が高く、砂や埃が入りにくいといわれています。
- 電動で施解錠するシステム
電動で施解錠できるシステムは大きく分けて、電池錠と電気錠(配線式・100V式)があります。
◆電池錠:電池で作動するので、電気の配線工事が必要なく設置できるもの。配線コストがかからないので取り入れやすいタイプでしょう。
◆電気錠:電気配線を行い通電させて作動するもの。遠隔操作機能など様々なシステムに拡張、接続できるため、テレビドアホンと接続することで、来訪者を確認した上で解錠操作ができたり、室内のコントローラーユニットで施解錠操作を行ったりすること可能です。
◆電池錠や電気錠のメリット:電池錠や電気錠のメリットは、操作性が高いこと。メーカーや商品によっても異なりますが、たとえばドアやハンドルに設けられたボタンを押し、専用のICカードをリーダーにかざすだけで施解錠が可能。カードだけでなくICチップが埋め込まれたシール、携帯電話や電子マネー対応カード(対応機種等の制限あり)で操作できるタイプもあり、使用する人の使い勝手に合わせることが可能でしょう。またリモコンキーを使用して操作することも可能なタイプも。リモコンキーをバッグやポケットなどに入れ、身につけておけば、ドアのボタンを押すだけで施解錠することができるシステムもみられます。リモコンキーを取り出さなくても施解錠できるので探し出す必要もないのがメリットです。
■ワンキー・ツーロックが基本。取り外し可能なサムターンも
最近の玄関ドアは、ピッキングを防ぐため、ツーロックが一般的。ツーロックすることで不正解錠の手間と時間がかかり、見た目にも侵入を敬遠させることができる、と言われています。上下どちらかがピッキングなどで解錠されても、もう一つの解錠にある程度の時間がかかると自動で再度ロックされる安心の機能を設けたタイプもあります。またセキュリティ機能を高めるため、脱着可能なサムターンを取り入れた商品もみられます。外出時や就寝時に外しておけば不審者が扉のガラス部分破ったり、金属棒や針金などの工具を用いて、サムターンを回し解錠操作をされる心配もないでしょう。