COLUMN聞けばためになるお家の話


照度は何ルクスくらいがリラックスできるのか


照度はルクス(lx)という単位で表わされますが、その数値が高いほど明るいといわれています。でも具体的にはどんな明るさなのでしょう?ぜひ一度確認して下さい。

 

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■照度(ルクス)は明るさの基準を示す単位

部屋の照明を考える際に、「明るさ」は照明器具のデザイン同様に気になる点ですね。購入した照明器具が、部屋に取り付いてから「デザインはいいけど、なんだか暗い(もしくは、明るすぎる)」といったようなことを経験されたことがありませんか?例えば照明器具のショールームで見た時の明るさと、同じ器具でも自分の部屋に取り付けた時では明るさが違うことがあります。これは主に空間の広さや内装材の反射率などに、影響されているからです。また、明るさを感知する視覚には個人差があります。しばしばあることですが同じ照明でも、ある人は「丁度良い明るさ」と、言っているのに対しある人は「少し暗いのではないか」と言ったりします。このように空間の明るさは見る人によっても変わってしまったりします。

■覚えると便利な照度計算                                                              <表1>

照度

居間

書斎・子供室

食堂・台所

寝室

浴室・脱衣室

WC

1000

手芸、裁縫

 

 

 

 

 

750

 

勉強、読書

 

 

 

 

500

読書

パソコン作業

 

読書、化粧

 

 

300

 

 

食卓、調理台

 

ヒゲソリ、化粧

洗面

 

 

 

 

 

 

 

200

団らん

遊び、ゲーム

 

 

洗濯

 

100

 

全般

台所全般

 

全般

 

75

 

 

 

 

 

全般

50

全般

 

食堂全般

 

 

 

30

 

 

 

全般

 

 

20

 

 

 

 

 

 

照度=単位面積1㎡に入射する光束(lm/面積)[lm(ルーメン):光源の光の量]

人間の感覚と実態のズレを最小限に抑えるために、明るさは照度=ルクス(lx)という単位で数量化しています。JISでは、空間と生活行為ごとに細かく推奨照度を規定しています。表1を見ると、同じ部屋でも全般照明と特定の行為で照度が区別されています。例えば、リビングで読書をしたい時は、300~750ルクスの照度が必要ですが、団らんだけであれば、もっと低い150~300ルクスでよいという具合です。

 

■日本の照明が明るいのは白色光が多いから?

同じ照度でも光源の光色(色温度)によって明るさ感は異なります。新品の蛍光ランプで白色光と電球色を見比べた場合、大半の人が白色光のほうが明るいと答えます。同じ明るさのものでも、人の目にはそのように見えるから不思議です。もともと私たち日本人は暖かい電球色よりさわやかで活動的な白色の光色を好む傾向があります。このことから空間の明るさ感は照度だけで計るのではなく、光源の色温度も重要で本来これを無視した照明は考えられにくいのですが残念ながらそのような照明空間が日本の住宅に多いのです。白色光で部屋を暗くすると陰気な感じになりやすいことは多くの人たちが感覚的にわかっているせいか日本の住宅は明るい照度が自然と求められます。

 

■場所に適した光

照明用語に「適光適所」という造語があります。これは「場所場所に適した光」のことです。一人ひとりの視覚や生活に合った明るさを作ることは、本当に難しいことです。私たちのまわりにはオフィスや学校・ショップなど、明るい場所がたくさんあります。明るさに慣れてしまって、逆に明るい方が気持ちいいという方が多いです。でも「疲れ目」や「視力の低下」そこから生じる「ストレス」には明るすぎることにも一因します。そんな目を休めるためにも、家には適度の暗がりの場所を作ってあげましょう。明るさを意識するだけで、明るすぎた所は器具のワット数を下げたり、調光のできる器具は照度を落とすことで省エネが可能になります。そのことで空間の印象も違って見えるはずです。今までは気がつかなかったほっとする明るさがもしかしたらどこかにあったかも知れません。皆さんもそんな明るさを探してみて下さい。

 

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