飾り壁をどうしよう?本棚やDVDの棚をどこに置こう?新築の際にあれこれ悩むのが収納プラン。豊富なスペースを確保したいものですが、限られた条件では難しい場合も。今回は、壁の厚みを利用した収納のアイデアとプランニングのコツをお伝えします。
■収納の基本は「使う場所に収納する」こと
快適で使い勝手のよい住まいを実現するためには、収納計画は重要なポイントのひとつです。収納プランの基本は、「使う場所に、出しやすく、しまいやすく、収納する」こと。それぞれ豊富な収納スペースを確保できるのが理想ですが、限られた空間では難しい場合もあるでしょう。しかし、作り方を工夫することで、使い勝手のいい収納となるケースもみられます。
■壁の厚みを利用して収納スペースを確保
収納スペースを確保するには、様々な方法がありますが、空間を狭めることなく確保できる方法のひとつとして、壁厚収納(壁埋め込み収納)が挙げられます。デッドスペースを有効利用できること、奥行が浅いので出し入れしやすく小物などの収納に適していること、飾り棚などとして空間を演出することができることなどがメリットでしょう。ただし、建物の構造や工法などによって、設置できない場所もあるので、プランニングの際には、事前に設計担当者に確認することが大切です。
■実用的な収納とするか空間演出とするか
壁厚収納に限ったことではありませんが、収納スペースを検討する際は、何を、どう収納したいのか、明確にしてからプランニングをすること。とりあえずスペースを確保するだけでは、有効利用できない場合もあるものです。壁厚収納であれば、飾り棚などの見せる収納とするケースと、厚みに適したモノを入れる実用的な収納とするケースがあるでしょう。見せる収納の場合は、棚にガラスを用いたり、演出効果のある照明を組み込んでもいいですし、実用的な収納とするならば、移動可能な棚やフック、落下を防ぐバー、使い勝手に合わせた扉などを設ける方法も考えられます。
■壁の厚みを利用したアイデア&プラン
壁厚を利用した収納スペースは、造作でオリジナルなスペースをつくることももちろん可能ですし、建材メーカーなどから提案されている、収納するモノや場所に合わせた商品を取り入れてもいいでしょう。
- 玄関ホールや廊下などに飾り棚を
家族はもちろん、お客様を迎える玄関ホールなどには演出を兼ねた壁厚収納を設けるのもいいでしょう。玄関扉を開けた時に正面になる壁などに設置し、季節のモノや趣味のモノを飾ることで、空間の印象も変わるものです。小物などを飾るために壁の一部を凹ませたニッチと呼ばれるものも、壁厚を利用したプランのひとつ。ダウンライトなど照明を組み込むなどの工夫も考えられます。
- 本棚やDVD棚を廊下や間仕切壁を利用して
壁厚を利用した実用的な収納として多くみられるのが、本やDVDなどの収納でしょう。部屋の壁だけでなく階段の手スリ壁や廊下の間仕切壁、対面キッチンのカウンター部分(ダイニング側)などを利用したプランニングもみられます。寝室や子供部屋などプライベート空間近くに設ければ、家族の図書コーナーとしても使えます。
- ドアホンや給湯機などのコントロール機能を納めて
最近の住まいには、設備機器や建材を操作し、確認するスイッチやリモコンを設置する必要があります。通常、室内の壁面に取り付けるものですが、テレビ機能ドアホンや給湯機などのリモコンは、思いのほか存在感があり、空間の邪魔になってしまう場合も。それらの壁の厚みを利用して設置すれば、目立たず、すっきりと納めることが可能です。
■やみくもに確保するのではなく、目的を明確にして
壁厚収納はやみくもに確保すればいいというものではありません。すっきりと収まれば美しく、使い勝手のいい収納ですが、収納するものや扉の用い方によっては空間が雑然としてしまうことも。壁厚収納を検討する際には住まい全体の収納計画と同時にプランニングすることが基本。空間に適したモノ、生活スタイルや持ちモノを把握した上で取り入れるようにしましょう。