今や家の中はネットを利用する機器だらけです。パソコンはもちろんのこと、テレビ、BDレコーダ、物によっては、オーディオ機器、さらには白物家電にも必要なものもあります。家を新築するときこれだけネットが一般化したのに、ネットワーク環境については、どうしてもおざなりにされてしまう傾向があります。今回はネットワーク環境についてお伝えします。
■電気と一緒に考えるのでは遅い???
新築の際、特にこだわって要望を出したりしなければ、ネットワーク環境やLANケーブルの計画などは電気配線と一緒に考えることになると思います。そうなるとけっこう後のことになります。間取りがほぼ確定してしまっているのに、ネットワーク環境もある程度できることが限定されてしまっています。できることなら間取りの検討中にネットワーク計画もある程度考えておいたほうがいいと思います。電気についての検討がそれくらいで十分なのは、照明は天井に付いたり、コンセントは壁に付きます。どちらもそれほどジャマになるものでもないです。明るさや個数をきちんと考えて、さらに位置を考える。その位置は、検討中にやっぱりこっちに移動させたいと思ったときには移動は可能です。それに対して、ネットワークについてはそれほど自由にはなりません。
■ネットワーク機器には置き場が必要
電気とは違い、ネットワークには、その機器を置いておく場所が必要になります。モデムとルーターが必要なら、2台分置き場所が必要です。それくらいならどこでもなんとかなる、そう考えてしまいがちですが、そこにはさらに条件があります。機器からの熱を逃がさなければならないこと。ネットワーク機器は、意外なほど熱を出します。そんな機器を狭いところや、小さな箱のようなところに押し込んでしまうと、機器からの熱の逃げ場が無くなり、思いのほか早く故障してしまうということがあります。ある程度のスペースをとって置くしかないです。置き場所は機器の大きさより大きめに必要になります。
■無線の届く距離に注意が必要
家では無線LANだけで十分。最近の無線のスピードの進化は目覚しいものがあります。それでも電波の届く距離は正直ほとんど変わっていないのが現状です。それも当然で、電波を遠くに飛ばしたりすることは技術的には非常に簡単なこと。電波の出力を上げるだけ、なぜそうしないのか?理由は法律で電波の強さが規制されているから。もし、この電波の規制がないと、勝手にテレビ局をはじめたりすることができてしまいます。そのためWiFiに使う電波は、強さを制限されています。このため無線でのネットの速さはかなり速くなりました。でも届く距離は変わっていません。これを誤解して、届く距離も伸びたと考えていると、無線が届かずネットワークにつながらない部屋などができてしまいます。
■家の中心に配置したほうがいい
無線でつながらない場所をできるだけなくすためには無線LANの親機(アクセスポイントや無線ルーター)を家の中心に配置するしかありません。でも、家の中心にネットワーク機器を置くのって難しいですよね。間取りが決まってからネットワークについて考えると、家の真ん中に置く場所がないという事もあります。これを防ぐためにも、ネットワークを間取りの段階からある程度考えておくことが重要になるのです。
■有線LANはどうする
無線だけでは心配。やはり有線でつながれるようにしたほうがいいのでは?このように考えて念のため各階の中央のあたりにアクセスポイントを置けるようにしておくのも一つの方法です。そしてどうせ有線を引くなら、ネットワーク機器が多く接続されるテレビ周りにも引いておくと便利だと思います。以前は、有線のほうが良かったのですが、無線の進化によって思ったより優位性はなくなってきました。ケーブルでつながれているのと、それらが必要ないのでは利便性は無線が上。それでも有線が無線よりいまだ圧倒的に優れている点は安定性。大きなトラブルでもない限りネットが途絶えることはありません。