家づくりの仕様の打合せで最初の難関といってもいいのは外壁選び。サイディング材は、外壁の種類と色展開が豊富な外壁材です。そのため、多くの方が2種類以上の品番で「張り分け」ができることを設計士から聞いて、アクセントを入れた素敵な組み合わせでオリジナルの外観を作りたいと思っていらっしゃると思います。そこで今回は、素敵な「張り分け」ができるポイントをまとめました。
■サイディングの張り分けはここをチェック
◎きれいに見切れるか
きれいにサイディングを張っていくには、一面に張るという話ですが、「出隅(でずみ)」「入隅(いりずみ)」を意識していきたいものです。出隅とは、面と面の端の角が外側を向いている隅のこと。入隅とは、面と面の端が内側を向いている隅のことです。一般的には、入隅の面は、面のエンドがおさめやすいため色の張り分けがしやすく、出隅の面は、面の端で材料をカットした際に小口といって材料の断面が見えてしまうために、断面を隠す別の部材が必要になります。それが次にご紹介する役物(やくもの)という物です。実はこの役物がサイディングの見た目に大きく影響してしまいます。
◎サイディングの角には役物が入る
先ほどご紹介した、出隅の小口をきれいに見せるために、役物とよばれる角専門の部材を入れます。一色でサイディングを統一する場合には問題ありませんが、特に面と面で2色の張り分けを行う時に注意が必要になってきます。角の色は一種類しか選べないので、どちらかの面は違う色の役物が付くことになってしまいます。そのため出隅での色分けは要注意。できるなら出隅での色分けはしないようにするか、外からほとんど見えない位置というように限定するのが無難です。
◎アクセントにしたいときは思い切って色とデザインを変える
お客様の中で「あまり色やデザインを変えたくないので色を1トーン濃い同じデザインをアクセントサイディングにして下さい。」と言われることがあります。ただ近い色をアクセントに使うとあまり効果が現れないなんてことも。面になった時にアクセントになっていることが非常にわかりづらく、せっかく張り分けをしたのにほとんど気づかれない・・・という事態が発生してしまいます。そのためアクセントをつけたい場合は、色、デザインをはっきり変えるのがオススメです。
■サイディングの色やデザイン選びのコツ
◎同系色コーディネートで美しく見せる
2色以上で張り分けをする際、考えていきたいのは、ベースとなる外壁とアクセントとなる外壁のバランス。まとまりのある外観に仕上げるためには、ベース外壁とアクセント外壁を同系色で組み合わせることがポイントになってきます。同系色の色で合わせているので、落ち着いたバランスの家になります。
◎色の濃淡や彩度の組み合わせでイメージUP
- 洗練された都会的なイメージの外観➡淡い色&濃い色
白と黒というように、強いコントラストでメリハリをつけることで、モダンでシャープな印象の外観を演出します。王道の色分け方法でモダン好きな方に好まれる色分け方法です。
- 上質な優しいイメージの外観➡淡い色&淡い色
淡い色同士を組み合わせる事で、まとまりのある上品な外観を演出します。クセが少ないので、飽きのきにくい外観となりやすいです。
- 重厚なイメージの外観➡渋い色&渋い色
濃く渋い色を組み合わせるとどっしりと落ち着いた外観イメージに。モダンな印象ながらも、高級感も演出します。かなり個性が強い外観なので、好みが分かれやすい色使いとも言えます。
- 華やかで温かみにあふれたイメージの外観➡濃い色&鮮やか色
濃い色と明るく鮮やかな色の組み合わせで、濃い色の落ち着いた感が出つつも、華やかで活気のある外観イメージになります。アクセント部分が特に目立つので、一部分を際立たせたい時に特に有効です。