新築住宅の計画をする場合、最初に行う重要作業として「地盤調査」があります。この地盤調査がなぜ重要なのかというと、まず新築住宅の場合、瑕疵(かし)保険(義務化)への加入が必須になります。この瑕疵保険は、「地盤調査」を義務付けしています。瑕疵保険の要件として、「地盤調査」に基づき適切な基礎設計を行わなければならない事になっているからです。ですが、地盤調査とはどういう調査をするのか、また調査結果の何を見れば良いのかというのは中々わかりにくいものです。そこで今回は地盤調査と調査結果を見る時のポイントについてお伝えします。
■地盤調査とは?
地盤調査とは、簡単に言うと、家を建てる前に地盤の強さや地盤状況を確認する作業のことを言います。なぜ地盤調査を行うのかと言うと、家を建てるのに安全な土地なのかどうかを判断することができるからです。もし地盤が弱い土地にそのまま家を建てると、家の重さに地盤が耐え切れずに家が傾いてしまっては生活するのに大きな支障が出てしまいます。そうならないように家を建てる前に支えられるだけの地盤の強さがあるのかどうか調査し、もし強さが足りない場合は地盤を強くするための補強工事を行って家が建ってからも安全に暮らせるようにします。では、実際に地盤調査をする時にどのような調査をするのかというと住宅ではスウェーデン式サウンディング試験という地盤調査を行うのが一般的です。スウェーデン式サウンディング試験は先端がドリル状になった鉄の棒におもりをつけて地面の中に入れていき、地盤の強さを測定するという方法になります。例えば地盤が弱ければおもりを載せただけで地面に沈んでいきますし、地盤が強ければおもり以外にドリルを回転させて地面に鉄の棒を入れていきます。こうして約10m程まで地中を調査して地盤の強さを測定するという訳です(強い地盤なのが確定的な場合はもっと浅い部分で調査を切り上げることもあります)。調査は新しく建てる家の四隅と家の真ん中の5ヶ所測定し、その調査結果を元に地盤改良が必要なのか、それとも必要ないかが分かるようになります。
■地盤調査結果を見る時のポイント
地盤調査が終わると数日後に地盤調査の結果が出てきますが、調査結果は図のようなグラフが書かれています。
すごく簡単に言うと、グラフの左側だと弱い地盤に、右側だと一定の強さがある地盤ということになります。ただこれだけだと何処の地盤が強いのか弱いのか分からないので次に見る場所はグラフの縦の部分。地盤調査報告書のグラフの下へ行けば行くほど地中の深い部分を表しています。1メモリは25㎝刻みになっています。これを踏まえて見てみると、地上から25㎝くらいは地盤がある程度強く、50㎝から1.5mくらいに弱い場所が、2.5m付近になると地盤が一気に強くなっていることが分かります。家を建てる時は、家の基礎を作るため1m弱くらいは土を掘り返すことになるため地上付近は考慮しないため、少なくとも2.5m付近までは地盤改良をして補強しておきたい結果と言えます。他にも細かい部分はありますが、まずはこれだけ頭に入れておけば地盤調査結果は十分見ることができるようになります。ちなみに、地盤改良が必要な場合は地盤の強さや状態によっても改良方法は違ってきます。例えば地中の浅い部分が弱い場合だけであれば表層改良という地面に近い部分を改良するだけで済みますし、地中深くまで地盤が弱ければ地盤改良もそれだけ大掛かりになりますし、費用もそれだけ必要になってきます。一方地盤が強ければ地盤改良は必要ないので予算取りしていた費用を家の追加工事に使うなど予算に余裕を持つことができます。一般的に地盤改良が必要となりやすい代表例としては、盛土など自然の地形に手を加えた土地があげられます。地盤が強いかどうかは調査してみないと分からない部分もありますが、土地を購入する際は、地盤が強そうな場所なのかも考えてみるといいですね。