住宅ローンは、変動金利の方がいいのか、それとも固定金利の方がいいのか迷ってしまいます。今回は、住宅ローンを組むときの3つの金利タイプと、住宅ローンを選ぶときの基本的な考え方についてご紹介します。
■住宅ローンの3つの金利タイプ
住宅ローンの金利タイプは大きく分けて3種類の金利タイプがあります。『全期間固定タイプ』『固定期間選択タイプ』『変動金利タイプ』の3種類です。
- 全期間固定タイプ:全期間固定タイプとは、住宅ローンが終わるまで金利が変わらない住宅ローンのことを言います。最初に住宅ローンを借りた時に決まった金利がその後もずっと続きます。このように金利が変わらない住宅ローンの事を一般的には固定金利と呼びます。固定金利のメリットとしては、返済額が一定なのでライフプランを立てやすい事、金利変動の影響を受けないという事です。金利が変わらないという事は、数年後に金利が上がってしまった場合でも金利が変わらないので変動金利よりも金利が安くなるかもしれません。反対に金利が下がった場合には高い金利を払い続けないとならない事も。この部分は固定金利のメリットとも言えますし、デメリットとも言えます。その他に固定金利のデメリットを挙げると、変動金利タイプの住宅ローンに比べて金利が高くなってしまうことが挙げられます。住宅ローンの金利が固定となって安定する分、金利が高く設定されてしまいます。全期間固定タイプの住宅ローンの安定感は、その安定感の分だけ割高となってしまいます。
- 固定期間選択タイプ:固定期間選択タイプとは、一定期間金利が固定されていて、その期間が過ぎたら改めて変動金利か固定金利を選択する住宅ローンのことを言います。5年固定、10年固定と呼ばれている金利タイプのものです。固定金利の住宅ローンよりも金利が安く、変動金利よりも金利が高いのが一般的です。ある程度先の安心感を確保しつつ、でも金利もあまり高くならないよう抑えた住宅ローンという訳です。固定金利と変動金利の良いとこどりのイメージなので、固定期間選択タイプを選ぶ方も結構いらっしゃいます。
- 変動金利タイプ:変動金利タイプは、言葉のとおり金利が変動するタイプの住宅ローンです。変動金利は市場に合わせた金利が反映されるので全期間固定タイプや固定期間選択タイプと比べて金利が低く抑えられることが多いのが特徴です。そのため毎月の返済額を抑えたい人に向いていますが、金利の変動によって支払額が増減されるので将来の安定という点で不安定さが残ります。では、変動金利の金利はいつ見直されるかというと、半年ごとに見直されるのが一般的です。ただ、金利が変動したとしても、金利に合わせて毎月の返済額が変わるという訳ではなく、返済額の見直しは5年ごとに行われるので、金利が上がったとしても返済額アップに対する準備をすることができます。金利の変動があった分は毎月の返済額ではなく、元本と利息の割合が変わるようになっています。そしてその結果を5年ごとに返済額へ反映させるという訳です。変動金利の場合、何かの拍子で金利が物凄く上がると住宅ローンの総額もどんどん膨らんでしまいます。そのため125%ルールというものがあり、どんなに金利が上昇しても、5年ごとの支払額の見直しの際はそれまでの返済額の1.25倍までというのが一般的です。このルールによって、支払額が2倍、3倍となり住宅ローンが支払えずに破綻するということは防ぐ事ができますが、そのかわり住宅ローンの利息分しか毎月支払っていないという事態も起こりえます。変動金利は金利の上昇に要注意な住宅ローンなのです。
■どの金利タイプがベスト???
どの金利がベストかというのは各家庭によって違ってきます。それぞれの家庭によって収入も違えばライフプランも違ってくるからです。ただ数年前にマイナス金利が発表されたように、現在は空前の低金利の状態です。そのため、金利は下げられる幅がかなり小さい状態で、上げられる幅は大きい状態となっています。以上の点を考慮に入れると、今は固定金利の方が分があると考えるケースが多いです。変動金利は金利が下がった時の効果が少なく、金利が上がったときのダメージが大きいという訳です。固定金利の場合、全期間固定タイプを選ぶのか、それとも固定期間選択タイプを選ぶのかはそれぞれの家庭のライフプランによって違ってきます。全期間固定タイプの住宅ローンはライフプランが立てやすく安定感がありますが金利が高めなのがネックです。変動金利を選択する場合は金利の変動の影響を受けにくいよう返済額が少ない場合が無難です。